精油の香りが心と体に効くメカニズム

<目次>

●精油/エッセンシャルオイルとは
●精油が心身へ働きかけるメカニズム
●精油の種類
●精油の選び方
●精油を安全に使うために

目には見えなくても植物のアロマは鮮やかに香って、
リラックスしたり、気分を高めたり、幸せな気分にさせます。
私が好きなブルガリアンローズも、香水に使われるだけでなく
香りの効用から癒しのためにも使われる精油でした。
そんな精油がどのように心や体に作用して働きかけるのか、
そして精油を使うときの注意点など精油を楽しむ上で知っておきたいことについてまとめました。

●精油/エッセンシャルオイルとは●

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物原料(根、茎、葉、樹皮、花、種など)から抽出される
100%天然のオイルでひとつの原料だけで数十~数百種類もの成分を含み濃厚な香りを発します。
含まれているほかの植物油で希釈されているアロマオイルとは区別されます。

精油の約8割は水蒸気を使った水蒸気蒸留法によって作られているそうですが、
熱に弱い成分やより本来の植物の香りを楽しみたいときは溶剤抽出法を使って
アブソリュート(厳密に精油ではない)を作ることもあります。

水蒸気蒸留法・溶剤抽出法がどんな風に精油を作るかは、
ローズオイルを作る過程の中で紹介しているので、よかったら見てみてください。
⇒バラの花が精油に生まれ変わるまでinブルガリア

また、柑橘類の果皮から精油を採る場合、遠心力を使う圧搾法で抽出します。
この方法はコールドプレスを作る方法と同じで自然な香りを楽しめますが、
抽出の過程で分離できなかった不純物によって保存が難しくなる場合があります。

●精油が心身へ働きかけるメカニズム●

精油は【鼻から脳へ】【肺から全身へ】【皮膚から全身へ】と、
主に三つのルートで私たちの心身へはたらきかけます。

【鼻から脳へ】
鼻から吸い込んだ精油成分は鼻の奥で電気信号に変換されて脳に刺激を与えます。
嗅覚から送られる電気信号は、まず本能的・感情的判断を行う部分に届きます。
そのため、脳が理性的・知性的に「香り」を認識するより先に、
「好き/嫌い」が一瞬にして判断されます。

ダイレクトに脳の感情を司る部分(大脳辺縁系)や下垂体という
自律神経・免疫・ホルモンなどの働きをつかさどる部分を刺激することで、
よい香りが瞬間的に気分を高めることができるのと同じように、
腐ったものなど危険な香りにも反射的に対応できるようになっているそうです。

また、嗅覚は感情や記憶との結びつきも強く、
香りが記憶を呼び覚ます現象は「プルースト効果」と呼ばれています。
この名前は、マルセル・プルーストの著作『失われた時を求めて』の
冒頭が“紅茶に浸したマドレーヌの香り”で幼い頃の記憶が思い出される場面だそうで、
そこから名付けられた現象だそうです。

【肺から全身へ】
精油成分を含んだ空気(香りとして認識できないレベルでも)を吸い込むと、
肺の中で酸素と一緒精油成分が血液やリンパ液の中に取り込まれます。
この時、精油の成分が血流やリンパの流れで全身をめぐって身体に働きかけ、
様々な効果を発揮した後、汗や尿と一緒に排出されます。

精油成分は呼吸に伴い喉や気道の粘膜からも吸収されるので、
精油の種類によっては咳を抑えたり風邪を予防したりできるそうです。

【皮膚から全身へ】
マッサージ・湿布などで直接精油を肌につけたり、精油が含まれる蒸気などを
浴びたりすると、皮膚を通じて精油成分が体内に取り込まれます。
精油成分の中でも非常に細かな成分は皮膚の保護膜を通過して真皮層まで届き、
毛細血管やリンパ管から取り込まれます。

精油成分は約20分で皮膚から全身へといきわたって身体の各所で作用した後、
約1日後には肺から取り込んだ精油成分と同様に汗や尿と一緒に排出されるそうです。

●精油の種類●

日本でも北海道などで栽培が盛んなラベンダーなどは、
アロマに親しみのある人ならひとつは持っている精油ではないでしょうか。
香りといえばラベンダーやローズが代表する花のイメージですが、
精油は香りで7種類に分けることができるそうです。

・スパイス系(クローブ、シナモン、ジンジャー、バニラ)
・樹脂系(フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ)
・エキゾチック/オリエンタル系(イランイラン、サンダルウッド、マヌカ)
・樹木系(ローズウッド、ティートゥリー、ユーカリ、ヒノキ)
・ハーブ系(ローズマリー、タイム、ペパーミント)
・柑橘系(グレープフルーツ、ベルガモット、オレンジ、レモン)
・フローラル系(ローズ・オットー、ゼラニウム、ジャスミン・アブソリュート)

香りが変わればその効果も異なります。基本的な取り扱い方は同じでも、
妊娠中の人や高血圧の人など、体調に変化がある人は使用時に注意が必要な場合があるので、
精油ごとの注意書きなどは必ずチェックするようにしましょう。

●精油の選び方●

そもそも精油(エッセンシャルオイル)とは、100%天然のものにしか付けられない名称です。
香りは直感で「好き」と思えるものを選ぶのが基本ですが、自分の好きな香りの中でも
品質の高い精油を選ぶためには、次のようなことに気を付けるといいみたいです。

◎混合物のない100%ピュアな精油を選ぶこと
⇒香料やアルコールが入った「アロマオイル」や「フレグランスオイル」は精油ではありません。
精油とは効果や使用方法が異なるので購入の際には気を付けましょう。

◎学名・原産地・抽出部位が明記されていること
⇒そのほか、使用期限やロット番号などが明記されているとより確かな販売元と思われます。
初めてのお店で購入する際もチェックしたいポイントですね。

◎成分分析データが添付されていること
⇒年ごとに変わる成分の含有量を分析しているところは品質も管理できているので安心!
購入時に同封されているはずです。

◎購入場所やあまりにも安い製品に気を付けること
⇒ほかのお店と比べて半額などあまりにも安いお店は詐欺サイトだったり、
商品に混ぜ物をしている可能性があります。怪しいと思ったら避けるように気を付けましょう。

◎輸入元や取り扱いの注意などが日本語で表記されていること
⇒精油は効果が高い分取り扱いには注意が必要です。
きちんとした取り扱い方法が分かった上で精油を選ぶようにしましょう。

●精油を安全に使うために●

精油は街中で気軽に購入することができますが、効果が高いために使用方法にも注意が必要です。
私も知識を入れる前に実際の精油を手に取ったのですが、実際に注意書きを見てみると、
安全かつ効果的な利用のためには大事なことも多かったので紹介したいと思います。

◎保管する際のチェックポイント
・直射日光が当たらず、風通しの良い冷暗所であること。
・品質保持の目安は未開封なら2年、開封済みなら1年。数年単位の保存は避けること。
・精油を使用して作ったコスメ類は、遮光性と密閉性がある清潔なビン等で保管すること。
※プラスチックだと精油の種類によっては溶ける場合があります。
・子供の手の届かないところであること。

◎使用時の注意点
・使用前に精油ごとの注意書きを確認すること。
・原液を飲んだりお肌につけたりしないこと。
 ※精油は効果が高い分、刺激が強く身体の負担になることがあるため。
・精油を肌につける場合、顔なら1%以下、身体なら2%以下に希釈して使用すること。
・敏感肌の方は使用前にパッチテストをすること
・精油は揮発性が高く引火する可能性があるので、火気に注意すること

◎柑橘系の精油を使う場合の注意点
・品質保持の目安は開封済みの場合約半年。
※圧搾法で抽出される精油は、微量な不純物が混じって劣化が早く進むことがあるため。
・柑橘系の精油を肌に使った後はすぐに紫外線を浴びないこと。
 ※圧搾法で抽出される柑橘系の精油は、強い日焼けを起こす光毒性の成分を含むことが多いため。

◎家族で使う場合のチェックポイント
・子供やお年寄りへ使う場合の精油の量は大人の半分以下にすること。
・3歳以下への乳幼児への使用は慎重に、できれば避けること。
・生理中・妊娠中・授乳中などは精油ごとの注意事項を改めて確認すること。
 ※女性ホルモンに似た働きをする精油があるため。
・そのほか既往症のある場合も精油ごとの注意事項を改めて確認すること。