バラの女王「ブルガリアンローズ」の魅力と効能

<目次>

●ブルガリアンローズとは
●ローズを極めるなら…本来の香りを楽しめるブルガリアンローズ
●クレオパトラにも愛されたダマスクローズの花
●五感で楽しむブルガリアンローズ
●ブルガリアンローズの香り成分
●ローズ精油の効果
●ローズ精油の種類
●ブルガリアンローズの香り成分

 

ブルガリアンローズとは

品種名:ロサ・ダマスケナ 生産地:ブルガリアのカザンリク地方 特徴:毎年5月頃に咲く一季咲きのバラ。香りが強く、ブルガリなのバラの谷を豊かな美しい香りで包み込みます。

世界で最も美しい香りとは

途方もない問いですが、2000年以上前から世界を魅了するローズの中で
「女王」と称されるブルガリアンローズこそ、一つの答えではないでしょうか。

実は私も、その香りが手放せなくなってしまった一人。
はかなく消える天然の香りですが、その一瞬に心と身体に働きかけ、
気持ちを高めることのできるブルガリアンローズの香りは
毎日に欠かせないものになっています。

特に女性にとっては香りの素晴らしさ以外の嬉しい効果も!
香り成分が心身にはたらきかけて精神・身体の調子を整える作用もあるそうです。
そんなブルガリアンローズをたくさんの人に知ってほしいと想い、
この記事を書いています。

貴重な精油のため取り扱うブランドも限られていますが、
みなさんに手に取ってもらうきっかけになれればと思います。

ブルガリアンローズとは

ブルガリアンローズは、香りの原料として重用されるバラの品種
ダマスクローズ(正式名称ロサ・ダマスケナ)の中でも
最も香り高いと言われるブルガリア産のものを指します。

ブルガリア政府が制定した厳しい国家基準をクリアした製品のみが
「ブルガリアンローズ」として国立研究所に認定され、その品質を保証されています。

毎年5月にブルガリアの谷一面を埋め尽くすバラ畑から収穫するのですが、
わずか1滴の精油を得るために100本以上のバラの花が必要となります。
そのため、大量に収穫しても実際に精製される精油の量は限られてしまい、
貴重なものとして高価で取引されています。

それにも関わらず、黄金より高いと言われるその1滴を求めて
世界中から注文が集まり、毎年のように売り切れてしまうのが
ブルガリアンローズの人気の高さを物語っています。

 

ローズマニアが辿り着く香り…ブルガリアンローズ

一般的な香料でつくられるローズの香りは、甘くやわらかで、
フローラルかつパウダー感のある香りが多いですが、
ブルガリアンローズの香りはまったく違っています。

まず驚くのは、その香りのみずみずしさ。

最初に感じるのは青々しいハーブをイメージさせる清涼感あふれる香り
しかし、その爽やかさの奥に漂う重厚で華やかな香りに気付いて再びハッとさせられます。
まるでつぼみから花がほころぶ瞬間の、甘い濃密な香りを味わえる
のがブルガリアンローズ精油の魅力。
私の周りだとオーガニック系の香りや天然のハーブがお好きな方に好評でした。

一般的なバラの品種(5万種以上とも言われています)は観賞用のものが多いのですが、
香りのために精油を採取するバラは、ダマスクローズが主流ですが、
ほかにも センティフォリア種やアルバ種、ガリカ種があります。

しかし、ダマスクローズほど人々を熱狂させた香りはありません。
ダマスクローズの中でもブルガリア産のものは他の産地のものより
精油成分の配合が異なるため、ローズ本来の特徴を強く感じることができ、
ローズの香りそのものの魅力を感じることができます。

 

クレオパトラにも愛されたダマスクローズの花

クレオパトラも魅了した薔薇の香り。彼女はバラの香油を作ったり、寝室にバラを敷き詰めたり、身にまとう香りで英雄を虜にしました。

ギリシャの女流詩人サッフォーがバラを「花の女王」と讃えたのがはるか昔、紀元前7世紀ころ。
その100~200年後には、ダマスクローズが人の手によって栽培され始め、
世界各地へ広まるようになったと考えられています。
ギリシャ時代からローズの香油などは香りを愛でるだけでなく医療目的にも使われ、
ローマ帝国時代にはその熱狂的な人気は薬学・交易ルート・ガラス工芸技術の発展にも
貢献したと言われるほど。

中でも有名なエピソードはダマスクローズをこよなく愛したクレオパトラのお話でしょうか。
英雄ジュリアス・シーザーアントニウスを虜にしたクレオパトラですが、
ダマスクローズを膝の高さまで敷き詰めたり、普段からバラ風呂で香りを身にまとったりと
クレオパトラはバラの香りを贅沢に使うことで自らの知性と美貌を引き立てていたようです。

また、クレオパトラが女王として君臨したエジプトのプトレマイオス朝を開いた
アレキサンダー大王もバラの香りをこよなく愛し、自ら香りの調合をしたり
発行するコインの絵柄にバラの花を選んだりするほど。
約300年続いた王朝の中でも、バラは大事な花として代々受け継がれたのかもしれませんね。

 

五感で楽しむダマスクローズ

ロサ・ダマスケナは日本でも手に入る品種。自分で育てて花を収穫することもできます。

鑑賞用として目で楽しむ

ダマスクローズは国内で苗を購入して育てることもできます。
観賞用に改良された品種ではありませんが、愛らしいピンク色です。
手にすっぽり収まる大きさの花は丸みを帯びて、花びらはクシュっと柔らかく重なります。

もちろん毎日のお世話が必要なので楽ではありませんが、
自分の手で咲かせた花の香りを楽しむ以上の贅沢はないかもしれないと思い、
私も今年苗を購入してしまいました。5月、可愛らしい花をつけてくれました♪

筆者ベランダで咲いたロサ・ダマスケナの花

舌で楽しみながら効果を実感

朝一番に口にする一さじのローズジャムはブルガリアの健康習慣として地元に根付いています。
新陳代謝を促して顔つやを良くし肌にとてもよいと言われているそうです。
バラの成分が美容に効果をもたらすメカニズムは解明されていないことも多いのですが、
ローズ精油は脂質代謝を調節することによって、皮膚の老化作用に対抗する」※1
と最近のデータで示されたそうです。

また、「薔薇のラキア」と呼ばれるお酒もブルガリアの名物。
日本で言う焼酎のような度数の高い蒸留酒で、ローズウォーターのような芳醇な香りを楽しめるそうです。
この蒸留酒の製造を通じて、精油をつくるブルガリアの蒸留技術が磨かれたとも言われています。
薔薇のラキア、一度飲んでみたいのですが日本にはほとんど流通していないようで残念ですね。

 

ローズ精油の効果

ブルガリアンローズの香りは精神と身体に働きかけます。
ブルガリアンローズなどから作られる天然精油ローズは
心と身体に働きかける効果があるとして、古くから研究が重ねられてきました。
主には次のような効果があるとされています。

心への効果

ネガティブな感情やストレスで落ち込む心を落ち着かせ、明るくポジティブな気持ちへ導きます。
リラックスさせて不眠症状をやわらげたり緊張をほぐしたりする働きがあります。

身体への効果

ホルモンバランスを整え、生理痛や更年期など女性特有の症状を緩和
血液循環を活発にして血液をきれいにし、全身の働きを活性化する強壮効果があります。

肌への効果

毛細血管の働きを強化し、新陳代謝を促すほか保湿・収れん(引き締め)・抗菌などの作用があります。
使う人の肌質を選びませんが、乾燥や敏感肌・年齢肌お悩みの人には特に有効です。

1800年前の漢方の処方が現代に数多く活きているように、
ハーブなどの植物を研究した古代ギリシャ・ローマの医学的知見は
現代のアロマテラピーに通じています。

約2000年以上前のヒポクラテスの時代からバラは医療目的にも用いられ、
特に婦人科系の疾患についての処方が数多く記録されているそうです。
現代でも、アロマテラピーの分野において、ローズ精油は上記のような効果があるとして
芳香浴や手作りコスメに利用されています。

また、ローズの精油を使う注意点としては、
妊娠中の人は使用しないように気を付けることと、精油全般に言えることですが
香りに慣れたからといって効果が強い精油をたくさん使うのは避けることです。

 

ローズ精油の種類

ローズ・オットーとローズ・アブソリュートは同じ花からの採油方法が異なり、見た目も香りも違いがあります。

ローズの精油には、「ローズ・オットー」「ローズ・アブソリュート」との2種類あります。
精油は原料となる植物から香気成分を抽出したものですが、
ローズ・オットーは水蒸気蒸留で抽出されたもの、
ローズ・アブソリュートは溶剤で抽出されたものと、抽出方法が異なります。

溶剤やエタノールが微量ながらも残留する可能性のある溶剤抽出法よりも、
化学成分を使わない水蒸気蒸留法で抽出されるローズ・オットーの方が、
オーガニックな製法を好む人にとっては、より安心して使用できる
と思います。

「水蒸気蒸留法」で作られるローズ・オットー

ローズ・オットーを作る水蒸気蒸留法は13世紀~14世紀に確立された抽出法で、
現在も精油の多くは化学成分を使用しないオーガニックなこの製法によって作られています。

この製法ではまず、蒸留釜の中の花に水蒸気をあて、水蒸気に精油成分を溶け込ませます。
次にその水蒸気を冷却すると、水の中から精油が分離して浮き上がり、
そこから得られる精油が「ローズ・オットー」になります。
残った水は「ローズウォーター」として使われます。

「溶剤抽出法」で作られるローズ・アブソリュート

ローズ・アブソリュートを作る溶剤抽出法は比較的新しく19世紀に確立された抽出法で、
希少性のため高価なローズ・オットーと比べ、ローズ・アブソリュートは
採れる精油の量が多く値段が抑えられる上に、温度や分子量の問題で
水蒸気蒸留法では抽出できない香気成分も抽出できる方法
とされています。

抽出する手順としては、まず揮発性の高い溶剤に花を浸して精油成分を花から抽出し、
次にエタノールを使って「ローズ・アブソリュート」と呼ばれる精油成分のみを取り出します。

含まれる成分の違いから、ローズ・オットーはスキンケアへの効果が高く、
ローズの香りの中でも複雑さ・濃厚さ・柔らかさが強調されており、
ローズ・アブソリュートは甘さ・鮮やかが強調された香りが特徴です。
私は深みのあるオットーの香りの方も好きですが、
香りだけならアブソリュートが好きという人も多いそうです。

ローズ・オットーとローズ・アブソリュートは、温度による変化と色で見分けがつきます。
ローズ・アブソリュートはオレンジがかった赤色の液体で低温でも液体のまま固まりませんが、
ローズ・オットーは黄色~緑色の液体で、天然のワックス成分を含むため低温で固まります。

 

ブルガリアンローズの香り成分

バラの香りは5つの主要成分と500種の微量成分から成っています。

一口に「ローズの香り」と言っても、540種類以上の香気成分がローズの香りを織り成しており、
現在分析されている成分の99.9%以外の未解明の0.01%にさらに香気成分が含まれている
推察する学者の方もいるようです。

1977年に発表された研究(※1)の時点では、
ブルガリアンローズオイルには含まれる成分は275種類だったそうですが、
現時点では540種類ほど見つかっており、さらに研究が進めばもっと多くの成分が見つかりそうです。

抽出法が異なると含有する主要な成分の含有率も異なり
ローズ・オットーはシトロネールやゲラニオールをより多く含んでいますが、
一方でローズウォーターやローズ・アブソリュートは水溶性成分の
フェニルエチルアルコールを多く含むなどの違いがあるそうです。

このように主要成分の含有率が変わることによって香りも異なりますが、
品種・抽出法が同じでも栽培された土地で成分が変わるのが天然精油の面白いところ!

ブルガリア産とトルコ産とでダマスクローズの香気成分を比較すると、
シトロネール、ゲラニオール、ネロール、メチルオイゲノール、パラフィンの
5つの成分が占める割合が異なり、ブルガリア産が約80~85%だったのに対し
トルコ産は90~95%と、ブルガリアンローズオイルにはより多くの微量成分が含まれることが
分かっているそうです。(※1)

そして、この微量成分の含有率にこそブルガリアンローズの類稀なる香りの秘密があるとして、
科学者の目は未解明の微量成分の解析に向けられ、現在も分析が進められているそうです。

※1 佐々木薫著「薫り高きオールドローズの世界 ブルガリアンローズ」より
 

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